納品いただく度に
どんどん表情が豊かになる大原光一さんのうつわ。
ゴツゴツした岩肌の様であったり、
錆びついた金属の様であったり、
もう地球上のものではなく、宇宙の景色の様であったり。
この表情というのは、人によって好き嫌いが分かれますよね。
そして、私もわりと楚々としたうつわが好きだったりするのです。
・・・が、大原さんの器にはどこか惹かれます。
多分その佇まいかなぁと思うのです。
形がなんとも楚々としていて、もう小ぶりの急須に至っては、
なんだかその存在のいじらしさに切なくなってしまうのです。
そして、流れる様も秀逸です。
8月某日、そんな大原光一さんの工房へ久しぶりに訪れました。
いつも穏やかにお茶を淹れてくださる大原さん。
でも、その後ろにはギターや、工房の空きスペースにはDIYのビリヤード台が
あったりするのです。
「最近よくガラス瓶を拾ってきて、こんなのを作っているのですよ。」
と見せていただいたのが、こちら。
石膏で型を作って、その中に拾ったガラス瓶を詰めて・・・
と、パートドヴェールのような技法で、作られるというガラスのオブジェ。
「照明当てると綺麗でしょう?」
確かに!
「これを並べて、バーみたいにして呑みたくなりますね・・・。」
っとついついお酒の方に行ってしまいますが、
当店の川辺のカウンターにおいて夜照明を点けたら素敵だろうなー
などと妄想してしまいました。
ちょうど個展前の忙しいさなかにお邪魔してしまったのですが、
それだけに、貴重なものも見せていただきました。
こちら・・・
何になるかわかる方はかなりの大原通(^^)
そう、あのゴジラの様な鉄石釉
https://www.katakuchi.jp/collections/oharakoichi/products/oharakoichi-guinomi04
こちらの黒い蓋は黒鉄。
焼成したばかりはザラザラで怪我をするほどだそうです。
たしかに大根がすれる感じでした。
それを磨いて仕上げをするのはなかなかの手間だそう。
後ろに見えるのは、おそらく飛石黒紫釉。
当店でも残り一点だけぐい飲みがございます。
https://www.katakuchi.jp/collections/oharakoichi/products/oharakoichi-guinomi12-01
様々な色合いが複雑に絡み合うこちらのシリーズ。
二種類の釉薬や、長石の粒、銅などの金属、ガラス・・・などなど
様々なものを使い、焼成するとのこと。
そんな身近なものも、原料に???
というものも。
これは、発想力と探究心がないとなし得なかった作品かもしれませんね。
当店で人気の青白釉もよくよく聞くと面白い誕生ストーリーがあるそう。
アメリカで滞在して制作をしていた時、
なにか表情をうまく出せるものがないか探していたそうです。
そこで、ピザ屋のバイト先で、窯の焼成と時に使う砂(珪砂)を見つけ、
これが使えないかと化粧土代わりに使ったら良い感じになり、
それ以来、定番化したとのこと。
ただ、この青白釉は非常にばらつきも多いとのこと。
こちらの急須も両方青白釉。
このばらつきの違いが逆に魅力があって、焼成する度に
次は、この辺りを狙うぞ!と良いモチベーションになっているとのこと。
どんどん種類が増えている様に思う、大原さんのうつわですが、
中には一回試して、すぐにやらなくなるものもあるとか。
どんな時ですか?とお聞きすると
「それは、やっぱり、一回で自分の想定通りの結果になったりすると
やっぱり、続かなかったりします〜」
・・・やっぱり、穏やかそうにお見受けする大原さん、
内にはかなり熱いものをお持ちの方なのですね。
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